第77回日本プロゴルフ選手権(2009年)
2019.10.21
優勝トロフィーを掲げる池田勇太(写真提供:日本 プロゴルフ協会)
池田勇太、最終日36ホールの激闘制し初優勝
北海道・恵庭CC(7136ヤード、パー70)で行われた。気候やコース状態の確保のため、開催時期も6月となった。第1ラウンドは雨に見舞われ、45人がスタートしたところで中止となり、スコアもキャンセルとなった。主催する日本プロゴルフ協会は「公式戦なので72ホールで行う」こととし、最終日に36ホールを行う予定を発表した。
翌日の第1ラウンドで、驚かせたのが、この試合がツアーデビュー戦の31歳、堂本新太朗。パッティングが好調で5バーディー、ボギーなしの65をマークした。05年にプロ転向も下部ツアーに2試合で出ただけで、この大会には予選会から初出場。「こんな試合に出ることが夢だった。試合に出ずに死ねないとも思っていた。このまま行けたらいいですね」と、日刊スポーツ紙はコメントを伝えている。同じく5アンダーで池田勇太、篠崎紀夫が首位に並んだ。注目の石川遼はOB2発などで4オーバー74をたたき、112位スタートになった。
第2ラウンドで、池田がスコアを伸ばした。雨が止んだ午後スタートで、10番をバーディーで発進。この日4バーディー、1ボギーの67で回り通算8アンダーに伸ばして、2位に4打差をつけた。最終9番で4メートルのバーディーを奪い、スポーツ報知紙によると「耐えて耐えて最後にお土産が来た感じ」と、気持ちを表現している。自身のあこがれの存在の尾崎将司がデビュー2年目の日本プロで初優勝し、しかも今回と同じく最終日36ホールだったことを報道陣から知らされ「そら、勝たないとなあ」と話した。4打差2位には甲斐慎太郎、平塚哲二がつけた。石川はこの日もドライバーが不調で通算6オーバー83位と、2年連続予選落ちとなった。
最終日も降雨の中で行われた。午前の第3ラウンドで池田は追い上げを受ける。3バーディー、2ボギーの69で回って通算9アンダーとしたが、2アンダー8位からスタートした立山光広が6バーディー、1ボギーの65をマークし、通算7アンダーと2打差に迫った。続いて行われた最終ラウンド、池田は「まだ2打差ある」と落ち着いてスタート。1つ伸ばして折り返した後半インに入って加速した。11番で4メートルを沈めるなど、4バーディーを奪い、追う立山が「体力的に厳しかった」とスコアを伸ばせない中、65をマークした。通算14アンダーで、終わってみれば立山に7打差をつける圧勝だった。
23歳5カ月23日での日本タイトル制覇は、史上4番目の年少記録で、日本人では1977年日本プロでの中嶋常幸の22歳11カ月23日に次ぐ若さ(1,2位はセベ・バレステロスの77年日本オープン20歳7カ月11日、78年日本オープン21歳6カ月26日)。尾崎将と同じく、デビュー2年目で初優勝が日本プロとなった。表彰式前には、北海道遠征で応援に来ていた出身校の東北福祉大ゴルフ部の後輩たちに、胴上げされた。
「涙の優勝かなと思ったら、泣く暇もなかった」とは初優勝の感想。「ゴルフ人生の目標はジャンボさん(尾崎将)。2桁、3桁と勝っていきたい」という大きな目標を、スポーツ報知紙は伝える。池田はこの年、VanaH杯KBCオーガスタ、ブリヂストンオープンにも勝ち、賞金ランク2位となった。
プロフィル
池田勇太(いけだ・ゆうた)1985年12月22日生まれ、千葉県出身。6歳でゴルフを始め、千葉学芸高3年時に世界ジュニア(15-17歳の部)で優勝。東北福祉大に進み、日本学生(2005、06年)連覇などタイトルを獲得し、07年にプロ転向。08年ツアーデビューした。16年に賞金王、19年5月の~全英への道~ミズノオープンatザ・ロイヤルGCでツアー通算21勝目を挙げている。
第77回日本プロゴルフ選手権
順位 | 選手名 | Total | Round |
---|---|---|---|
1 | 池田 勇太 | 266 | = 65 67 69 65 |
2 | 立山 光広 | 273 | = 66 72 65 70 |
3 | 小田 龍一 | 275 | = 69 70 67 69 |
4 | 篠崎 紀夫 | 276 | = 65 72 68 71 |
5 | 近藤 共弘 | 277 | = 71 69 70 67 |
6 | B・ジョーンズ | 278 | = 67 70 72 69 |
7 T | 鈴木 亨 金 庚泰 横尾 要 山下 和宏 E・リー 甲斐 慎太郎 佐藤 信人 谷原 秀人 |
279 | = 68 72 70 69 = 69 70 70 70 = 66 72 72 69 = 67 70 70 72 = 67 70 73 69 = 68 68 73 70 = 69 74 69 67 = 74 69 67 69 |