第76回日本プロゴルフ選手権(2008年)
2019.08.23
優勝トロフィーを掲げる片山晋呉(写真提供:日本 プロゴルフ協会)
片山晋呉が大会新23アンダーで2度目の優勝
群馬・レーサムゴルフ&スパリゾート(7127ヤード、パー72)で行われた。大会前、目玉はアマチュアで前年のマンシングウエアKSB杯を制した石川遼が、プロ転向して初の公式戦挑戦だった。第1ラウンド、その石川は3バーディー、2ボギー、1ダブルボギーの1オーバー73でホールアウトした。プロ4戦目で最悪のスコアで54位スタートとなったが「なんとか踏みとどまったと思います。スッキリしています」と、報知新聞紙はコメントを掲載している。まだ高校生(杉並学院高3年)の初々しさを見せた。
首位に立ったのは、地元群馬県出身の武藤俊憲。ボギーなしの8バーディーを奪った。このコースは前橋育英高時代に100回以上ラウンドしていたといい「ミスしてもいい場所が分かる。迷わず打てる」という強みを発揮した。3打差2位に丸山大輔、片山晋呉がつけた。
第2ラウンドで浮上したのが片山。ここまで通算23勝を挙げており、永久シード権まであと2勝に迫っていた。日刊スポーツ紙によると「日本というタイトルがつく大会には欲がある」とコメント。2日連続のボギーなしで、66をマークし、通算11アンダーとした。3打差で丸山が続き、前日首位の武藤は74をたたいて5打差3位に後退した。
注目の石川はスタートの1番でダブルボギーにして流れをつかめず、77と崩れて通算6オーバーで予選落ちした。大会前に39度の高熱で寝込んでいたこともあり「ギリギリのところで耐えてきたが」と、体力的に苦しい大会にもなった。
第3ラウンド、片山がスパートをかける。1番から3連続バーディー、8番から5ホールで4バーディーを奪い、3日間連続のボギーなしで65をマークした。通算18アンダーとスコアを伸ばして、2位に7打差の大差をつけた。日刊スポーツ紙では「攻めるホールと守るホールを決めている」とコメントし、公式戦のセッティングに対して無理をしない、メリハリの利いたプレーを披露。「ピンチがなかった」といい、日本プロの最少スコア記録が20アンダー(1988年尾崎健夫=愛媛GC)と聞いて「それは狙います」と宣言した。2位に浮上したのは細川和彦。この日は64のベストスコアをマークした。練習ラウンドで深いラフから打って左手首を痛めたが「力が抜けていい球が飛んでいる」と話した。
最終ラウンドでは、片山がどこまで伸ばすかに大きな注目が集まった。4番でバーディーを決めた後、6番から4連続バーディーと、この日も快調にスコアを伸ばした。あとは一人旅。12番でこの大会初ボギーをたたいたのに悔いは残るが、17番でもバーディーを取り、4日間60台の67をマークし、大会最少スコア23アンダーまで伸ばして、2003年に続く自身2度目の「プロ日本一」に輝いた。
最終的には2位リャン(中国)に6打差の圧勝だったが、報知新聞紙によると、前夜は悪夢にうなされ「すべてが負ける夢。僕だけカップに入らないとか、ティーアップできないとか」で寝付けなかったという。そんな「日本タイトル」のプレッシャーの中で「よくやりきりましたね。狙って勝ったメジャーは格段のうれしい」と、笑顔を振りまいた。これで通算24勝となり、この年の10月、日本オープンで石川を破って優勝し、史上7人目の永久シード権を手にしている。
第76回日本プロゴルフ選手権
順位 | 選手名 | Total | Round |
---|---|---|---|
1 | 片山 晋呉 | 265 | = 67 66 65 67 |
2 | 梁津萬(リャンウェンチョン) | 271 | = 69 70 67 65 |
3 T | B・ジョーンズ 高山 忠洋 丸山 大輔 細川 和彦 |
276 | = 73 68 69 66 = 71 68 69 68 = 67 69 71 69 = 71 70 64 71 |
7 T | 竹本 直哉 谷原 秀人 矢野 東 |
279 | = 69 70 73 67 = 72 69 68 70 = 73 69 68 69 |
10 | 岩田 寛 | 280 | = 69 73 69 69 |