第73回日本プロゴルフ選手権(2005年)
2019.04.17
優勝トロフィーを掲げるS・K・ホ(写真提供:日本プロゴルフ協会)
S・K・ホが史上8人目の連覇達成
熊本・玉名CC(7018ヤード、パー72)で行われた第1ラウンド、注目を集めたのは谷口徹だった。前年の大会で悪天候のため日程変更となったことでPGAを批判する発言をした上、協会退会を口にして騒動を起こした。今大会の直前には挙式して乗り込んできた。7バーディー、2ボギーの67をマークして2位と好発進。日刊スポーツ紙によると、谷口は「(昨年のことは)てっきり忘れていました」と引きずっておらず「一大イベント(挙式)が終わってホッとしていました」とにこやかに話した。フェアウエーを外したのは4回とティーショットが好調で「優勝争いに絡んで(タイトルを)ものにしたい」と話している。首位に立ったのは藤田寛之。6番から3連続バーディーなどパッティング好調で7バーディー、ボギーなしの65で回って「自分自身、(国内)メジャーに勝てる選手だと思いたい」と、スポーツ報知紙上で意欲を見せていた。
第2ラウンド、米ツアー挑戦から一時帰国した谷原秀人が6バーディー、1ボギーの67をマークして通算9アンダーにスコアを伸ばし首位に浮上する。米ツアーでは8戦中6試合予選落ちと結果が出ていなかったが「向こうではみんな僕よりうまい感じ。でも(日本に)帰ってくると下手にはなっていないと確信できる」と、日刊スポーツ紙はコメントを伝えている。
この日の大きな話題が58歳の尾崎将司が連日のアンダーパーで谷原に4打差の7位に浮上したこと。「ドライバーがよくなっている。優勝? まだ大きなことは言えないがまあ楽しみはある」とコメントしている。
第3ラウンドで上がってきたのは、前年覇者で連覇を目指すS・K・ホ(韓国)。6バーディー、1ボギーの67で回って通算13アンダーとした。唯一のボギーだった16番について「難しいからしょうがない。メジャーのコースでボギーなしは失礼だから」と余裕のコメント。第1ラウンド首位の藤田、第2ラウンド首位の谷原が2打差で2位につける。
この日ベストスコアをマークしたのが川岸良兼。15番(446ヤード)の第2打、132ヤードをピッチングウエッジで直接入れるイーグルもあって、7アンダー65をマークし、ホに3打差の4位につけた。5年7カ月勝利から遠ざかり、日本タイトルも未勝利。「日本タイトルへの思いは、4、5年前になくなって、(今回)よみがえってきた」と笑い「戦えるゴルフになってきた」と手ごたえをつかんでいる様子だった。
最終ラウンドは、谷原とホが最後まで競り合った。通算16アンダーで最終18番パー5に来たホは、第3打でグリーン奥に外すピンチ。2打差で追う谷原は第2打でグリーン奥に運んでいた。バーディー、ボギーならプレーオフという場面、先にアプローチしたホがピン近くに寄せ、谷原の集中力も切れ、互いにパーで決着。ホが中嶋常幸(83、84年)以来、21年ぶり史上8人目の大会連覇を達成した。外国選手としては、戦前のラリー・モンテス(32、33年)以来72年ぶりの快挙になった。
ホは「スタート前は緊張して、3位以内に入ればいいと思っていた。連覇はうれしい」と笑顔を見せた。最終ラウンドは18番はじめ、絶妙の小技で逃げ切ったが「昨日同じ組で回った谷口さんの技を盗んだ」という。負けた谷原は「いいゴルフができたが、結果は悔しい」と話している。
プロフィル
S・K・ホ(ホ・ソクホ)1973年8月20日生まれ、韓国出身。プロゴルファーの父が経営していたゴルフ練習場で10歳からゴルフを始め、韓国体育大卒業後、1995年にプロ転向。01年から日本ツアーに参戦し、02年住建産業オープン広島で初優勝。ツアー通算8勝。
第73回日本プロゴルフ選手権
順位 | 選手名 | Total | Round |
---|---|---|---|
1 | S・K・ホ | 272 | = 68 68 67 69 |
2 | 谷原 秀人 | 274 | = 68 67 70 69 |
3 | 今野 康晴 | 275 | = 72 70 68 65 |
4 | 平塚 哲二 | 276 | = 67 71 70 68 |
5 | 藤田 寛之 | 277 | = 65 71 69 72 |
6 | 深堀 圭一郎 | 278 | = 74 72 68 64 |
7 | 川岸 良兼 | 279 | = 73 68 65 73 |
8 T | 片山 晋呉 谷口 徹 尾崎 将司 D・スメイル 近藤 智弘 |
280 | = 70 72 71 67 = 67 71 72 70 = 69 70 70 71 = 67 71 70 72 = 72 68 68 72 |