第91回日本プロゴルフ選手権大会(2024年)
2024.11.18
優勝トロフィーを掲げる杉浦悠太(写真提供:日本プロゴルフ協会)
杉浦悠太がツアー初優勝を初出場日本プロで達成
岐阜県にある富士カントリー可児クラブ可児ゴルフ場志野コース(7164/7201ヤード、パー71/72)で行われた。PGAWEBによると、平均20ヤードの狭いフェアウエー幅、ラフは最低80mm、グリーンサイドのラフはさらに長い100mmに設定され、硬い高速グリーンというセッティングになった。第1日、6アンダー65で首位に立ったのは金谷拓実、蟬川泰果、杉浦悠太、清水大成の4人。1打差5位に池田勇太、永野竜太郎、平本世中、宋永漢が続き、早くも混戦ムードになった。
未勝利の清水は10番スタートでバーディーが先行した。「ティーショットがラフに入っているのですが、比較的安定していて思ったところには打てています。セカンドでしっかりパーオンさせて、安定した内容でした」と振り返った。
金谷は1イーグル、4バーディーで回り「少しミスもありましたけど、ノーボギーでプレーできたので良いラウンドが出来たかなと思います」と話した。
蟬川は6バーディーを奪い「久びさにノーボギーのラウンドでうれしかった。フェアウエーキープを大事さを感じます」と笑顔を見せた。 アマ時代に日本オープンを制しているだけに、プロでも頂点に立ちたいところだ。
杉浦は、前年11月のダンロップフェニックスでアマチュア優勝を果たしてプロ転向し、3月に日本大学を卒業して本格参戦した実質ツアー1年目。6バーディーの65をマークし「ゴルフがうまくいきました。ティーショットをミスしてセカンドでグリーン狙えないところでも、50ヤード、100ヤードくらいからパーがとれたりで、耐えることができました」と振り返った。
第2日、混戦状態は変わらず、清水、蟬川、杉浦の3人が、通算11アンダーに伸ばして首位をキープした。2打差で池田、ブレッド・ケネディ(オーストラリア)が追う展開になった。
6バーディー、1ボギーの66で回った杉浦は「前半はフェアウエーに全然行かなくて難しかったですけど、後半は昨日と同じように耐えることができたので、スコアに繋がりました」と振り返った。
清水は1イーグル、5バーディー、2ボギーと出入りが激しかった。首位に並ぶ杉浦とは日大時代に4年と1年の先輩。アマで先に優勝した後輩に「悔しくないといったら違うと思います。自分が勝ててないことは悔しいです」と、4年目の初優勝を目指す。
清水と同組で回った蟬川は1イーグル、3バーディーと2日間ボギーなし。大学は違った(東北福祉大)が「悠太は学生時代からご飯にいったり、練習ラウンドもする仲です。自分がうまくなっているかという力量を知るいい機会ですね」と、優勝争いを楽しみにした。
決勝ラウンドはパー4だった2番をパー5(554ヤード)とし、パー72に変更された。第3日、日に日に暑さが厳しくなる中、杉浦が8バーディー、1ボギーの65で回って通算18アンダーに伸ばし、混戦から抜け出して首位に立った。「満足できる一日でした。特にパッティングがうまく打てたことが要因。(最終日は)ギャラリーと一緒に楽しませられるようなプレーを目指したい」と話した。
2打差2位で追う形になった蟬川は最終18番でこの大会初ボギーをたたき「メジャーコースをボギーフリーで終えて自信にしたかったので、めっちゃ悔しい。2打差より1打差で最終日を迎える方が逆転しやすいので、もったいなかった」と振り返った。
最終日、杉浦、蟬川は互いに意識したのか、出入りはあるもののスコアを伸ばせずに、ホールを重ねた。猛追したのが6打差4位から出た稲森佑貴。17番でこの日5つ目のバーディーを奪って通算17アンダーに伸ばして先にホールアウトした。
苦しんでいた杉浦は、17番でバーディーを取って通算19アンダーに。同じくバーディーで17アンダーにした蟬川、ホールアウトしていた稲森に2打差で最終18番に入った。しかし、ここでトラブル。第1打を左バンカーのあご近くに入れ、第2打を刻んで右ラフ、第3打もグリーンにいったん乗ったがこぼれた。それでも第4打で50cmほどにつけた。蟬川は10mにパーオンしていたが、バーディーパットは入らず。ボギーパットを沈めた杉浦が、1打差で逃げ切り、完全優勝で初出場初優勝、プロ初勝利を日本タイトルで決める快挙を達成した。
「プロになって早く1勝できるといいねと言われていたので、ほっとしています。長い1日でしたが、1勝目がメジャー優勝で、ほんとうにうれしいです」と笑顔が広がった。
(文責・赤坂厚)
プロフィル
杉浦悠太(すぎうら・ゆうた)2001年09月12日生まれ、愛知県出身。3歳でゴルフを始め、福井工大付福井高2年の18年日本ジュニアで優勝。高校時代からJGAナショナルチーム入りし、日本大学3年の22年ノムラカップアジア太平洋アマで個人、団体優勝している。大学4年の23年、ダンロップフェニックスでは史上7人目(ツアー制度施行の1973年以降)のアマチュア優勝を成し遂げ、その日にプロ転向し、翌週カシオワールドでプロデビューした。ツアー通算2勝(うちアマチュアで1勝)。
第91回日本プロゴルフ選手権
順位 | 選手名 | Total | Round |
---|---|---|---|
1 | 杉浦 悠太 | 268 | = 65 66 65 72 |
2T | 稲森 佑貴 蝉川 泰果 |
269 | = 71 67 64 67 = 65 66 67 71 |
4T | 岩田 寛 清水 大成 |
271 | = 71 65 68 67 = 65 66 71 69 |
6T | 宋 永漢(ソン ヨンハン) S・ノリス 幡地 隆寛 竹山 昂成 平本 世中 金谷 拓実 |
272 | = 66 71 69 66 = 71 68 67 66 = 68 69 68 67 = 67 68 68 69 = 66 71 66 69 = 65 70 67 70 |