第72回日本プロゴルフ選手権(2004年)
2019.02.04
優勝トロフィーを掲げるSK・ホ(写真提供:日本プロゴルフ協会)
史上初の54ホール短縮、ホが初優勝
高知・Kochi黒潮CC(7270㍎、パー72)での大会は波乱の展開になった。濃霧と風雨に見舞われた第1ラウンドは、午前スタートの組がスタートを終えた直後に中断、天候の回復を待ったが午後1時に中止が決まり、スタートした組のスコアはキャンセルされた。日程が変更され、5月14,15日に予選ラウンド各18ホール、16日に決勝ラウンド36ホールを行うことになった。
仕切り直しの第1ラウンドで首位に立ったのは、6アンダー66をマークした前年の日本オープン覇者の深堀圭一郎、S・K・ホ、D・イシイだった。深堀は7バーディー、1ボギーの内容で小技にさえを見せたと日刊スポーツ紙は伝えている。この年の2月に米ツアーに参戦し、ランニングアプローチを多用する米国選手に刺激を受けたといい「いろいろなクラブでアプローチするようになった」と話している。
第2ラウンドでは、7アンダー65をマークした今野康晴とホが通算10アンダーで首位に並んだ。スポーツニッポン紙によると、今野は7バーディー、ボギーなしのプレーに「ショットはそれほど良くなかったが、パットが入ってくれた」と、振り返っている。第1ラウンド首位の深堀には前年日本オープンで逆転負けを喫しているだけに「日本タイトルが欲しい」と意気込みを見せた。ホは大会前に体調を崩し、フェアウエーキープのゴルフを続けているといい「(最終日の)36ホールは初めての経験だが、この調子を保ちたい」と話した。
通算1アンダー34位でホールアウトした谷口徹が「PGA退会」騒動を引き起こした。第1ラウンドが中止となった際に「ローカルプロ選手権」と発言したことを一部新聞で報道され、PGAが事情聴取。その後、PGAに対して「メジャー大会なら月曜日に予備日をとり、第1ラウンドはサスペンデッドにすべき」などと主張した上で「退会します」という意向を伝えたと、新聞各紙は報じている。しかし、口頭での退会ができないことを知り、その後撤回する騒ぎになったと、スポーツニッポン紙は報じている。
36ホールで行われる予定だった最終日も、風雨と濃霧に見舞われた。午前5時45分に第1組がスタートしたものの、8時58分に中断。直後に36ホール消化をあきらめ、18ホールを行い、日本プロとしては初めて計54ホールでの競技成立に変更された。大会の予備日の設定はしていなかったことで、こうした対応になった。
最終ラウンドは11時35分に再開、8番終了で12アンダーと伸ばしていたホと、8アンダーだった深堀の一騎打ちになった。再開した9、10番でともにバーディーを取り、11番のボギーで通算13アンダーにしたホに対して、12番でバーディーを取った深堀が2打差に迫った。深堀は16番のバーディーで通算12アンダーに伸ばし、1打差で最終18番パー5へ。2オンした深堀は10㍍のイーグルパットをショートしバーディー。ホは4㍍のバーディーパットを決めれば優勝の場面で「しっかり打つことだけ考えた」としっかり決め、1打差で逃げ切った。
ホは日本ツアー参戦4年目で公式戦初優勝。「プロ日本一として名前が永遠に残ることがうれしい」と話した。天候不良とはいえ、公式戦としての課題もでた大会になり、以後予備日が設定されるなど改善されるきっかけになった。
プロフィル
S・K・ホ(ホ・ソクホ)1973年8月20日生まれ、韓国出身。プロゴルファーの父が経営していたゴルフ練習場で10歳からゴルフを始め、韓国体育大卒業後、1995年にプロ転向。01年から日本ツアーに参戦し、02年住建産業オープン広島で初優勝。ツアー通算8勝。
第72回日本プロゴルフ選手権
順位 | 選手名 | Total | Round |
---|---|---|---|
1 | S・K・ホ | 202 | = 66 68 68 |
2 | 深堀 圭一郎 | 203 | = 66 69 68 |
3 T | 谷原 秀人 横尾 要 |
209 | = 71 72 66 = 67 71 71 |
5 T | 藤田 寛之 手嶋 多一 宮本 勝昌 |
210 | = 69 67 74 = 70 72 68 = 74 70 66 |
8 T | P・シーハン 今野 康晴 星野 英正 渡辺 司 T・スリロット 広田 悟 |
211 | = 71 71 69 = 69 65 77 = 69 70 72 = 70 70 71 = 70 71 70 = 72 68 71 |