第57回日本女子プロゴルフ選手権(2024年)
2024.12.02
優勝トロフィーを掲げる竹田麗央(photo:JLPGA/Getty Images)
大会タイの19アンダーで竹田麗央が公式競技初優勝
大会初の沖縄開催となった。会場は名護市のかねひで喜瀬カントリークラブ(6670ヤード、パー72)。“アジアナンバーワン決定戦”の名にふさわしく、米ツアーで活躍するシャネッティ・ワナセン(タイ)らアジアの強豪が参戦。7月のエビアン選手権でメジャー初制覇を果たした古江彩佳も名を連ねた。また、5月のワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップで15歳176日のツアー最年少優勝を飾った韓国のイヒョソンが日本女子プロゴルフ協会会員となり、プロデビューを迎えた。9月5日の大会初日、首位に立ったのはここまで5勝を挙げてメルセデス・ランキング1位を走る竹田麗央だった。8バーディー、ボギーなしで64を叩き出した。1打差2位はペソンウ。古江は67で5位につけ、イはワナセンらとともに68で6位発進した。
竹田は2日目も好調なプレーを続ける。5バーディーを奪って2日連続でボギーはなし。通算13アンダーとして2位の岩井明愛に3打差をつけた。4打差3位は未勝利ながらメルセデス・ランキング2位につける山下美夢有。古江は73で17位に後退した。
3日目、竹田は3パットのボギーが2個あったが、5バーディーを決めて69。通算16アンダーで首位を守った。岩井も69で3打差2位を維持。4打差3位にこの日ベストの67をマークした藤田さいきと阿部未悠、そして69にまとめた山下が続いた。
ツアーを席巻していた竹田だが、公式競技での最終日最終組は初めてだった。しかし、そんなことを感じさせないプレーでアウトは3バーディー、ボギーなしの33。一方、2位の岩井は40と崩れて圏外に去った。最終組の阿部はアウト34で食い下がり、1組前の山下は33で2位に浮上していた。
10番、竹田がこの日初めてパーオンを逃してボギーを叩く。阿部はインに入ってジリジリと後退した。
14番パー3、山下は池に近い左サイドに切られたピンを果敢に攻めて左カラーに置くと、パターで強めに打ってバーディーを決めた。これをティーイングエリアで見ていた竹田も怯まずにピンを攻めて右2mにオン。これを沈めて再び3打差とした。
16番、山下が6mを決めてこの日5個目のバーディー。すると竹田も同じような距離を入れてまたも突き離した。
残り2ホールで3打差。竹田が絶対的に優位な状況だったが、終盤で動きがあった。
17番、山下がパーで通過した後、竹田が3パットでボギーを叩いたのだ。
最終18番は485ヤードのパー5である。山下は2打目をグリーン手前まで運ぶと3打目を1m弱にピタリ。1打差に詰めて2年連続女王の意地を見せた。
そして竹田。2打目をグリーン右横ラフまで運ぶ。3打目は奥のピンに対して寄せきれなかったが上りを残し、何なく2パットでパー。初日から最後まで一度も首位を譲ることなく、初めての公式競技タイトルをつかみ取った。通算19アンダーは大会タイ記録。「攻めていくことを意識して最後まで貫けた」と笑顔が弾けた。
(文責・宮井善一)
プロフィル
竹田麗央(たけだ・りお)2003(平成15)年4月2日生まれ、熊本県出身。熊本国府高校3年の2021年に日本女子オープンで7位に入ってローアマチュアを獲得。同年、プロテストに合格した。2023年に初シードを獲得し、2024年4月に初優勝。ここから8勝を積み重ねて年間女王に上り詰めた。母親の哲子はプロゴルファー。叔母に賞金女王2回の平瀬真由美がいる。
第57回日本女子プロゴルフ選手権成績
順位 | 選手名 | Total | Round |
---|---|---|---|
1 | 竹田 麗央 | 269 | = 64 67 69 69 |
2 | 山下 美夢有 | 270 | = 70 65 69 66 |
3 | 藤田 さいき | 273 | = 69 68 67 69 |
4T | 大出 瑞月 阿部 未悠 |
275 | = 66 70 70 69 = 70 67 67 71 |
6T | 仁井 優花 櫻井 心那 |
276 | = 71 69 68 68 = 70 69 68 69 |
8 | 岩井 千怜 | 277 | = 69 69 71 68 |
9T | 木戸 愛 古家 翔香 佐久間 朱莉 岩井 明愛 |
278 | = 68 72 72 66 = 74 67 68 69 = 70 69 68 71 = 66 68 69 75 |