第71回日本オープンゴルフ選手権(2006年)
2024.12.12
優勝カップを掲げるP・シーハン(JGAホームページより転載)
片山との最終組対決を制してシーハンが大会初制覇
2006(平成18)年大会の会場は霞ヶ関カンツリー倶楽部西コース(7068ヤード、パー71)。同CCでの開催は1995(平成7)年以来、11年ぶり4回目で前回は東コースだった。初日はインド出身のジーブ・ミルカ・シンが6アンダー、65をマークして単独首位に立つ。2打差の2位には前年覇者の片山晋呉。3打差3位には平塚哲二、ポール・シーハン、真野佳晃の3人がつけた。
片山は2日目も堅実なゴルフで3バーディー、1ボギーの69で回ってきた。通算6アンダーはシンに代わって単独首位だ。片山はここまで通算20勝を挙げ、この年も3年連続賞金王に向けて快調に走っていた優勝候補の筆頭格。連覇へ一歩近づき「この大会は、まぐれでは勝てない。でも、そういうことをすべて噛み締めた上で、力を出し切りたい」(JGTOホームページより)と言葉に力を込めた。
1打差で片山を追うのは初日首位のシンのほか、韓国の金庚泰、オーストラリアのウォン・ジョン・リーという2人のアマチュア選手だ。金はこの年の日本アマで連覇を果たしたほか、韓国ツアーではプロを抑えて2勝を挙げているスーパーアマ。リーは前年の日本オープンで11位に入ってローアマを獲得した逸材である。
3日目、金と最終組でプレーした片山はアウトでパットに苦しみ、バーディーなしの2ボギーと苦戦する。しかし、我慢の末に15番で初バーディー。17番でもバーディーを奪ってこの日イーブンパーの71にまとめ上げ通算6アンダーを維持した。
2打差の5位で出たシーハンが4バーディー、1ボギーの68で通算7アンダーとして片山を1打抑えて単独首位に出た。2打差3位は68をマークした谷口拓也。アマチュア勢はリーがスコアをひとつ落として3打差4位に後退。金は77と崩れて23位にまで下がってしまった。
好天の最終日、シーハンと片山の最終組が午後零時過ぎにスタートしていった。その直後、1番ホールで片山が3パットでボギーとした。4日目にして初めての3パットが片山のリズムを狂わせたのか、その後もパーパットを何度も外し、連覇の夢がしぼんでいった。
一方でシーハンはアウトを1バーディー、1ボギーのパープレーで折り返す。9番では5mほどのパーパットを残すピンチだったがこれをねじ込んでみせた。3打差4位で最終日に入った矢野東がアウトでスコアをひとつ伸ばして2打差の2位に浮上していたが12番をボギーとしてパーを重ねるシーハンとの差が再び3打に広がった。
シーハンは常にピンの手前から攻めることを意識したゴルフで16番までパーを続けた後、17番で勝利を決定付けるバーディー。最終18番はボギーとしたが通算7アンダーで矢野に3打差をつけて大会初優勝を飾った。オーストラリア出身で来日5年目のシーハンはこれが日本ツアー3勝目。前年より大幅にアップした4000万円の優勝賞金と大きな栄誉をつかみ取った。
(文責・宮井善一)
プロフィル
ポール・シーハン1977(昭和52)年1月26日生まれ、オーストラリア出身。13歳でゴルフを始め1999年プロ転向。2002年に日本ツアー下部のチャレンジトーナメントで賞金ランキング3位に入って日本ツアー出場権をつかんだ。2004年のフジサンケイクラシックで初勝利を挙げ、同年は日本シリーズも制覇。2006年日本オープンを含め通算3勝をマークした。
第71回日本オープンゴルフ選手権
順位 | 選手名 | Total | Round |
---|---|---|---|
1 | P・シーハン | 277 | = 68 70 68 71 |
2 | 矢野 東 | 280 | = 69 74 66 71 |
3T | 宮本 勝昌 谷口 拓也 |
281 | = 75 71 66 69 = 71 69 68 73 |
5T | 葉 偉志 S・K・ホ 富田 雅哉 岩田 寛 片山 晋呉 |
282 | = 70 70 73 69 = 71 71 70 70 = 71 72 67 72 = 71 67 71 73 = 67 69 71 75 |
10T | 武藤 俊憲 星野 英正 加瀬 秀樹 真野 佳晃 室田 淳 |
283 | = 71 73 71 68 = 73 65 72 73 = 71 70 70 72 = 68 73 69 73 = 73 69 68 73 |