第70回日本オープンゴルフ選手権(2005年)
2024.11.25
優勝カップを掲げる片山晋呉(JGAホームページより転載)
片山晋呉が4打差逆転で初優勝
70回目の区切りの大会は、1967年以来38年ぶりに兵庫・廣野GC(7144ヤード、パー71)で5回目の開催になった。予選ラウンドでは、青木功、尾崎将司、中嶋常幸の「AON」が同組で回る組み合わせに。3人合わせて日本オープン11勝で、話題を集めた。
第1日、そのAON対決で予期せぬトラブル。尾崎将がイーブンパー、青木が3オーバー、中嶋が11オーバーというスコアだったが、日刊スポーツ紙によると、青木の8番のバーディー3のスコアを、マーカーの尾崎将がスコアカードに4と記入。青木が気付かずサインして提出したため、過大申告で4オーバーのスタートになった。
首位に立ったのは、4アンダー67で回ったディネッシュ・チャンド(フィジー)で、JGAホームページ(HP)によると「フェアウエーへ真っ直ぐ打つ。グリーンのまん中に乗せる。グリーンの柔らかさ、スピードが、ぼくにあっていた一日だ」と話している。1打差2位に久保谷健一と林根基(台湾)がつけた。
第2日、コース記録に並ぶ5アンダー66をマークした川岸良兼が通算4アンダーで首位に浮上した。13番から5連続バーディーをみせた。14番では12mを入れるなどパットが好調。パッティングに悩んでいたが「“どうしたんだろう”というくらい入りまくった」といい「“本当はうまいんだ、構えたらさっと打とう”とやりはじめたら昨日あたりから良くなった」(JGAHP)と振り返った。
スメイル、高山忠洋とともに2打差2位につけたのが、アマチュアの額賀辰徳。中央学院大4年生で日刊スポーツ紙によるとドライバー300ヤードの飛距離が持ち味で、大会1カ月後にプロ転向を予定していた。「単純にうれしい。目標は次年度出場権を得る」15位以内」と話した。
注目の「AON対決」は、尾崎将が3オーバー24位で予選を通過したが。青木、中嶋は予選落ちとなった。
第3日、首位の川岸は前日と打って変わってグリーンで苦しんだ。1番から3パットのボギーとするなど3パット5回の3バーディー、4ボギーの72とスコアを落としたが、下からも伸びてこず通算3アンダーで首位を守った。日本ジュニア、日本学生、日本アマに続くJGA4冠に王手をかけ「大したもんですよ、最終組で回れるんですから」(日刊スポーツ紙)と笑った。
3アンダーで首位に並びかけたのが、伊澤利光(当時登録名伊沢)。1番でボギーも5バーディーを奪ってこの日67で回った。フェアウエーに行ったのは5回といい「相当こらえています。通常なら10オーバーぐらいでもいい感じ」と、粘りのゴルフをみせた。
2打差3位に4人が並び、アンダーパーはこの6人になった。
最終日、上位が崩れて大混戦になった。首位スタートの川岸、伊澤が崩れ、4打差8位スタートの片山晋呉が14番で60cmにつけるこの日4つ目のバーディーで通算3アンダーとして首位に立っていた。1オーバーに落としていた川岸が15、16番連続バーディーで通算1アンダーに盛り返し、片山の16番ボギーで1打差になった。
先に回っていた片山、最終18番で「プレッシャーがかかった中であれ以上打てないショット」という第2打が1mにつき、バーディーは逃したが通庵2アンダーでフィニッシュ。川岸はバーディーならプレーオフという18番をボギーにした。片山がただ一人のアンダーパーで大会初優勝を飾った。
「38年ぶりの廣野で勝つという重みを感じてここに来ていた。何か深いものがありました」(日刊スポーツ紙)と、念願のタイトル獲得に涙を見せた。
(文責・赤坂厚)
プロフィル
片山晋呉(かたやま・しんご)1973(昭和48)年1月31日生まれ。茨城県出身。水城高校、日本大学を経て1995年にプロ入り。97年に初シードを手にし、98年のサンコーグランドサマーで初優勝を飾る。2000年には5勝を挙げて初の賞金王に。以降、04、05、06、08年と計5度の賞金王に輝いている。07年の日本ゴルフツアー選手権で日本タイトル4冠を達成した。08年の日本オープンで通算25勝目を挙げて永久シード選手となった。ツアー通算31勝(2024年10月現在)。01年全米プロ、09年マスターズでともに4位など海外でも活躍。16年夏季五輪リオデジャネイロ大会日本代表。シニアツアーでは24年すまいーだカップで初勝利を挙げている。
第70回日本オープンゴルフ選手権
順位 | 選手名 | Total | Round |
---|---|---|---|
1 | 片山 晋呉 | 282 | = 71 73 70 68 |
2T | 川岸 良兼 Craig Parry |
284 | = 72 66 72 74 = 73 72 67 72 |
4T | 伊沢 利光 谷口 拓也 深堀 圭一郎 |
285 | = 73 70 67 75 = 71 74 70 70 = 71 71 74 69 |
7T | 高山 忠洋 Dinesh Chand |
286 | = 70 70 72 74 = 67 76 70 73 |
9T | 谷 昭範 藤田 寛之 |
287 | = 73 70 76 68 = 72 70 70 75 |