第67回日本オープンゴルフ選手権(2002年)
2024.10.19
優勝カップを持つD・スメイル(JGAホームページより転載)
日本初優勝をビッグタイトルで飾ったD・スメイル
会場は山口県の下関ゴルフ倶楽部(6867ヤード、パー70)。1991(平成3)年以来、2度目の開催となった。穏やかな天候となった10月17日の大会初日、大会新記録が誕生した。1番ホールからスタートした佐藤信人はいきなり4連続バーディーを奪ってみせる。5番からパーが続いた後、13番からは3連続バーディー。最終18番でもバーディーを決めて尾崎将司が保持していた従来の大会記録を2打塗り替える62を叩き出したのだ。
2位の金鍾徳と藤池昇龍に3打差をつける首位。佐藤はすでに日本プロ、日本ゴルフツアー選手権、日本プロマッチプレーのタイトルを手にしており、史上6人目の日本タイトル4冠に向けて最高のスタートを切った。
2日目、佐藤はスコアをひとつ落としたが通算7アンダーで首位をキープ。1打差の2位には69で回った金がつけた。
雨が降った3日目、ニュージーランド出身のデービッド・スメイルが67をマークして通算6アンダーまで伸ばし、金と首位に並んだ。佐藤は72で1打差3位に後退。2打差4位に67で回った今野康晴が浮上してきた。
最終日はスメイルがアウトを3バーディー、2ボギーで回り通算7アンダーの単独首位に立つ。金、佐藤、今野はスコアを落とし、代わって5位にいた中川勝弥と桑原克典が猛追。特に中川は10番まで5バーディー、ボギーなしの内容でスメイルに1打差にまで迫っていた。
インに入ったスメイルは10番をバーディーとして通算8アンダーに伸ばす。一方でツアー未勝利、シード経験もない26歳の中川は経験したことのない緊張感に襲われ、12、15番でボギー。差が開いた。
金が13番でこの日2個目のバーディーを決めて2打差に詰めるが、スメイルは15番でカラーから20メートルもの距離をパターで入れて決定打ともいえるバーディー奪取。上がり3ホールはパーにまとめて通算9アンダー。金に4打差をつけて日本初勝利を日本オープンのビッグタイトルで飾った。
ローアマチュアは13位に入った東北福祉大学4年の宮里優作。2年連続2度目のタイトルとなった。
スメイルは男子ツアーの中でも一際目立つ195cmの長身だが、パワーより正確性で勝負するタイプ。今大会では約70%という高いフェアウエーキープ率で難しいセッティングを攻略した。
日本のプロテストに合格してから7年目でつかんだ初勝利に「本当にうれしくて、信じられない」と喜びの言葉を口にしたスメイル。前年は母国のニュージーランドオープンを制しており、自身2つ目のナショナルオープンタイトルでもある。
前夜に自宅のある千葉県から駆け付けてプレーを見守った夫人のシェリーさんも日本で活躍したプロゴルファー。1993年のフジサンケイレディスで優勝しており、夫婦そろっての日本ツアー優勝という快挙も成し遂げた。
(文責・宮井善一)
プロフィル
デービッド・スメイル1970(昭和45)年5月20日生まれ、ニュージーランド出身。1992年に母国でプロ転向し、1997年から日本を主戦場にした。2002年の日本オープンを皮切りに日本通算5勝。豪州ツアーでは2勝を挙げた。日本のシニアツアーでは2023年に初優勝を飾っている。
第67回日本オープンゴルフ選手権
順位 | 選手名 | Total | Round |
---|---|---|---|
1 | David Smail | 271 | = 71 66 67 67 |
2 | 金 鍾徳 | 275 | = 65 69 70 71 |
3T | 桑原 克典 中川 勝弥 |
276 | = 68 70 71 67 = 70 72 67 67 |
5T | 尾崎 将司 佐藤 信人 |
277 | = 68 71 72 66 = 62 71 72 72 |
7 | 宮里 聖志 | 279 | = 66 72 73 68 |
8T | 今野 康晴 深堀 圭一郎 星野 英正 |
280 | = 69 70 67 74 = 70 67 72 71 = 69 73 70 68 |