第55回日本女子プロゴルフ選手権(2022年)
2022.12.05
優勝トロフィーを掲げる川﨑春花(Photo:Getty Images)
19歳のルーキー川﨑春花が大逆転で最年少V
3年ぶりに有観客開催となった2022(令和4)年の日本女子プロ。会場は京都府の城陽カントリー倶楽部(6555ヤード、パー72)である。9月8日、132人の女子プロが初日のスタートを切った。その中には前年11月のプロテストで合格したばかりの94期生の姿もあった。彼女たちのプロテスト会場は、ここ城陽カントリー倶楽部だった。
初日をリードしたのは7アンダー、65をマークした22歳の菅沼菜々。未勝利ながらここまでメルセデス・ランキング11位につけている上位の常連だ。1打差2位はメルセデス・ランキング1位、21歳の山下美夢有とシード経験のない種子田香夏。94期生の中では川﨑春花が69で18位と最上位につけた。
2日目、菅沼、山下、そしてこの日67で回った川岸史果の3人が通算9アンダーで首位に並ぶ。94期生は2日連続の69で8位に浮上した川﨑のほか、佐藤心結、尾関彩美悠が決勝ラウンドに進んだ。
3日目、首位に並んでいた3人は明暗が分かれた。菅沼は73、川岸は76と乱れて後退。一方で山下は4バーディー、1ボギーの69で回り、通算12アンダーで単独首位に立った。
2打差の2位には69で回った森田遥が浮上。さらに1打差の3位に67をマークした三ヶ島かながつける展開になった。
94期生は予選を通過した3人全員がアンダーパーでプレー。川﨑が4位、佐藤が8位、尾関は16位に順位を上げた。
山下は公式競技第1戦のワールドレディスチャンピオンシップで初日から単独首位を守って完全優勝を果たしており、公式競技で2戦続けて単独首位で最終日を迎えることになった。
最終日は首位の山下が伸び悩み、混戦となった。森田が12番でバーディーを奪った時点で通算13アンダーの単独首位、1打差で山下や菅沼らが追う展開となった。
最終組のひとつ前では4打差で出た川﨑が快進撃を始めていた。号砲となったのは8番パー4の2打目だった。残り120ヤード、ピッチングウェッジでのショットはダフり気味に入った。だが、それが吉と出る。グリーンに落下したボールがうまく転がってカップに吸い込まれたのだ。
19歳のルーキーはインに入ると12番から4連続バーディーを奪ってみせる。ビッグタイトルの重さを感じてか、思うようなプレーができない上位陣を尻目に、あっという間に単独首位に躍り出た。
川﨑の勢いはこれだけでは止まらない。16番で惜しくもバーディーパットを外した後、17番で1.5mにつけてまたもバーディー。さらに18番でも8mの下りをねじ込んで勝利を決定づけるバーディーで締めた。
インは6バーディーの30。通算16アンダーは公式戦連勝を目指した山下に3打差をつける快勝だった。3位に菅沼。そして、4位グループには68で回った同じ94期生の佐藤の名もある。ルーキーたちが女子プロ日本一を決める大舞台で見事に輝いた。
19歳での優勝は大会史上最年少。「全然、信じられないです」と川﨑の口から出た言葉は、紛れもない本音だろう。生まれ育った京都で、そしてプロになったコースでつかんだビッグタイトル。新しいヒロインが誕生した。
(文責・宮井善一)
プロフィル
川﨑春花(かわさき・はるか)2003(平成15)年5月1日生まれ京都府出身。7歳でゴルフを始める。大阪学院大学高校時代には全国高校選手権春季大会、関西ジュニアなどに優勝した。2021年11月のプロテストに12位で合格。2022年8月にステップ・アップ・ツアーで初勝利を挙げ、翌月の日本女子プロでJLPGAツアー初優勝を飾った。
第55回日本女子プロゴルフ選手権成績
順位 | 選手名 | Total | Round |
---|---|---|---|
1 | 川﨑 春花 | 272 | = 69 69 70 64 |
2 | 山下 美夢有 | 275 | = 66 69 69 71 |
3 | 菅沼 菜々 | 276 | = 65 70 73 68 |
4 T | 佐藤 心結 ささき しょうこ 森田 遥 |
277 | = 71 70 68 68 = 73 66 69 69 = 69 68 69 71 |
7 T | セキ ユウティン ペ ソンウ 西郷 真央 |
278 | = 71 72 69 66 = 68 68 74 68 = 72 71 66 69 |
10 T | 小倉 彩愛 菊地 絵理香 イ ミニョン 吉田 優利 浜崎 未来 三ヶ島 かな |
279 | = 69 69 73 68 = 71 71 69 68 = 71 72 67 69 = 70 70 70 69 = 70 69 69 71 = 73 67 67 72 |